Googleの創業当時

ネット検索のGoogle(グーグル)が1998年の9月に創業した当時は、1日に1万件ほどの検索アクセスしかなかった。

2000年6月、検索回数は1000万件突破

しかし、2000年6月、Googleの検索回数は1000万件を超えた。2000年8月からヤフー(Yahoo)がグーグルを採用したことで「検索依頼がそれまでに比べて1ケタ増えた」(ラリー共同創業者・CEO)という。

グーグルの技術力

もちろん、グーグルの技術力には有力なベンチャーキャピタルも目を付けている。シリコンバレーのベンチャーキャピタルの双璧であるクライナー・パーキンスとセコイア・キャピタルの2社が2500万ドルの資金を投資した。この2つのベンチャーキャピタルが同一の企業に投資するのはほとんど例がないという。簡単に真似されるようなビジネスモデルではなく、グーグルの技術力が評価されたからにほかならない。

どんなページへも0.5秒以内で

検索時間の差

グーグルの検索ページでサイトを検索すると、大抵0.5秒以内で検索が完了する。もう1人の創業者であるセルゲイ・ブリン社長は「1つの単語で検索するだけなら、ほかの検索エンジンとの差はそれほど感じないが、2つ3つと検索する条件を加えると、検索時間の差が実感できる」と言う。

データマイニング

グーグル(Google)の検索エンジンは、データマイニングと呼ばれる技術と、サイトの評価方法に特徴がある。データマイニングは、欲しいデータを探索していく技術で、どのような経路で目的のデータにたどり着けるかがソフトウエア技術者の腕の見せ所だ。

データセンターと呼ばれるコンピューターの基地

グーグルの場合、米国のカリフォルニア州に2カ所、バージニア州に1カ所のデータセンターと呼ばれるコンピューターの基地があり、そこで5000台の高速なパソコンが世界中から来た検索指令の情報を独自のソフトウエアを使って分析し、目的のサイトを探し出す。また、グーグルの特徴は、サイトの検索方法にもある。

ヤフーが採用してきた方法

ヤフー(Yahoo)がこれまで採用してきた方法は、ほかのサイトから参考として飛んでいけるリンクがどれだけ多いかを検出して、検索サイトの重要性を判断してきた。この方法はかなりの確率で重要なサイトにたどり着くことができるが、サイト数が増えリンク数も増えると、必ずしも目的のサイトにたどり着けないことも多い。

無数のサイトの重要性を判断

グーグル(Google)が検索順位を決める方法は、重要なサイトにどのようにリンクが張られているか、その構造を分析することによって、無数のサイトの重要性を判断する。

分析を行う数学の理論

ページCEOは「ソフトウエア技術というよりも分析を行う数学の理論に我々の特徴がある」と言う。

単純さが売り物の1つ

こうした技術力だけではなく、グーグルはサイトの作り方やビジネスモデルにも特徴がある。グーグルのサイトには派手な画像を使った広告はなく、使う色の数も限定されている。単純さが売り物の1つだ。その理由をブリン会長はこう説明する。

テキスト広告

「広告に目を向かせようとして、できるだけ派手な広告を載せれば載せるほどサイトは醜くなる。その結果、そのサイトの滞在での時間は短くなり、かえって広告の効果は少なくなる」。グーグルのサイトでは、テキスト広告という、単純な文字情報だけの広告がある。しかも、サイトのデザインを壊さないように色使いも限定されている。

グーグルの収入

だが、こうした制限を加えられるのを好ましく思わない広告主もいるはず。それに対し、ブリン会長は「我々のビジネスモデルが広告だけに頼らないことも、そうした制限を加えられる大きな条件になっている」と話す。グーグルの収入の半分以上は、ヤフー(Yahoo)へ供与したような検索システムを他の企業へ供与した際の使用料が占める。

新しい技術があればチャンスは無限

ヤフー(Yahoo)のようなポータル(玄関)サイトだけでなく、最近の一般企業は膨大な情報をサイト上に公開している。それを利用者が検索する際の方法として、グーグルを採用する企業が増えている。通信機器大手のシスコシステムズもその1社だ。「インターネットの世界では、やり尽くされたことはほとんどない。新しい技術があればチャンスは無限だ」とページCEOは話す。